2019年度(平成31年度)技術士第二次試験の解説と想定される問題
(第2版)(2018-11-10)
1.制度改正の経緯、大づかみ
今回の技術士試験の方法の大きな改定は次の背景、目的の下に実施されることとなりました。
(1)国際エンジニアリング連合(*1)が、専門職技術者が備えるべき資質能力(*2)を定めた。
(2)この規定を受けて、文部科学省(技術士分科会)は技術士に求められる資質能力を定めた。
(3)技術士の資質能力を試験することが技術士試験の新たな目的となった。
(4)この目的達成のために2019年度から技術士試験の方法が大きく変わることとなった。
(補注)
(*1)国際エンジニアリング連合 IEA: International Engineering Alliance
(*2)専門職技術者が備えるべき資質能力 PC:Professional Competencies
2.技術士の資質能力
文部科学省は技術士が備えるべき資質能力を次の表のように新たに定めました。新しい技術士試験はこの資質能力を試験することを目的として実施されます。技術士は複合的な問題を複合的な活動で取り組み、問題解決を実践するものと定義されます。
(注)この解説は突破講座の解説であり、突破講座が責任を負う。この注記によって2019年度の試験においてどのような設問が出されるのかを具体的に想定することができるようになる。すこぶる重要な視点を提供してくれる内容を含んでいる。
3.試験科目の内容
試験はすべて記述式、つぎに示す4つの問題(問題Ⅰ、問題Ⅱ-1,問題Ⅱ-2,問題Ⅲ)が出題され、それぞれ知識あるいは能力が試験されます。
<必須科目、問題Ⅰ>
○問題の種類
「技術部門」 全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力
○出題内容
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
<選択科目、問題Ⅱ-1>
○問題の種類
「選択科目」 に関する専門知識
○出題内容
「選択科目」における重要なキーワードや 新技術等に対する専門的知識を問う。
<選択科目、問題Ⅱ-2>
○問題の種類
「選択科目」 に関する応用能力
○出題内容
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
<選択科目、問題Ⅲ>
○問題の種類
「選択科目」 に関する問題解決能力及び課題遂行能力
○出題内容
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
4.科目ごとの想定問題
これまで公表されてきた能力要件などを総括すると、4つの問題それぞれについて、次の設問が出されるものと思われます。(設問内容の想定を改定しました)
<必須科目、問題Ⅰ>
前文として、現代社会が抱えている様々な問題を踏まえ、当該「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題を設定。この設定を踏まえて、次の3つの設問に解答する。
(1)多面的に課題を抽出
(2)解決方法を提示
(3)遂行する提案
<選択科目、問題Ⅱ-1>
(この問題は、従来の専門知識問題と略同一の出題となるものと考えられます)
(1)「選択科目」における重要なキーワードや 新技術等に対する専門的知識
<選択科目、問題Ⅱ-2>
(この問題は、従来の応用能力問題と略同一の出題となるものと考えられます)
(1)「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて業務遂行手順を説明
(2)業務上で留意すべき点や工夫を要する点等の説明
<選択科目、問題Ⅲ>
前文として、社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況を提示し、そこに生じているエンジニアリング問題を設定する。
(1)「選択科目」に関わる観点から課題を抽出
(2)多様な視点からの分析に基づく問題解決のための手法を提示
(3)遂行方策について提示
5.試験準備の進め方
明年7月(予定)の筆記試験に向けての準備はつぎの手順で進めることを推奨します。
(1)試験が新しい制度なった理由を知り、なにを試験するのかを理解する
(2)7月の筆記試験までの工程を立てる(これは進行中、常にチェックし続けること)
(3)技術士論文作成の基本および論文設計の方法を知る
(4)論文作成練習、専門家による評価
(5)合格レベルまでの改善
(6)試験会場での解答作成を模した練習
●次の情報は11/17(土)アップします
(以上)
1.制度改正の経緯、大づかみ
今回の技術士試験の方法の大きな改定は次の背景、目的の下に実施されることとなりました。
(1)国際エンジニアリング連合(*1)が、専門職技術者が備えるべき資質能力(*2)を定めた。
(2)この規定を受けて、文部科学省(技術士分科会)は技術士に求められる資質能力を定めた。
(3)技術士の資質能力を試験することが技術士試験の新たな目的となった。
(4)この目的達成のために2019年度から技術士試験の方法が大きく変わることとなった。
(補注)
(*1)国際エンジニアリング連合 IEA: International Engineering Alliance
(*2)専門職技術者が備えるべき資質能力 PC:Professional Competencies
2.技術士の資質能力
文部科学省は技術士が備えるべき資質能力を次の表のように新たに定めました。新しい技術士試験はこの資質能力を試験することを目的として実施されます。技術士は複合的な問題を複合的な活動で取り組み、問題解決を実践するものと定義されます。
文科省が定めた技術士の資質能力 | 解説(注) | ||
1 | 専門的学識 | ・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。 ・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。 |
(1)技術的専門知識 (2)法令、制度、社会、自然条件についての専門知識 |
2 | 問題解決 | ・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。 ・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。 |
(1)複合的な問題を取り扱うこと (2)複合的な問題の解決に向けて複合的な活動を行うこと ・相反要求、結果の影響を考慮して複数選択肢を設定 ・解決策の提案 ・改善実行 |
3 | マネジメント | ・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。 | 事業のPDCAにおいて、多面的な要求事項に対して最適資源配分を実施 |
4 | 評価 | ・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。 | 成果、波及効果を正当に評価する |
5 | コミュニケーション | ・業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。 ・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。 |
適確な意思疎通、そのための表現力 |
6 | リーダーシップ | ・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。 ・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。 |
実行力。そのための構想力と現場感覚 |
7 | 技術者倫理 | ・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。 ・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。 ・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。 |
公衆優先原則の遵守 |
8 | 継続研鑽 | ・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研鑽(CPD)を行うこと。 | CPDの実施 |
(注)この解説は突破講座の解説であり、突破講座が責任を負う。この注記によって2019年度の試験においてどのような設問が出されるのかを具体的に想定することができるようになる。すこぶる重要な視点を提供してくれる内容を含んでいる。
3.試験科目の内容
試験はすべて記述式、つぎに示す4つの問題(問題Ⅰ、問題Ⅱ-1,問題Ⅱ-2,問題Ⅲ)が出題され、それぞれ知識あるいは能力が試験されます。
<必須科目、問題Ⅰ>
○問題の種類
「技術部門」 全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力
○出題内容
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
<選択科目、問題Ⅱ-1>
○問題の種類
「選択科目」 に関する専門知識
○出題内容
「選択科目」における重要なキーワードや 新技術等に対する専門的知識を問う。
<選択科目、問題Ⅱ-2>
○問題の種類
「選択科目」 に関する応用能力
○出題内容
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
<選択科目、問題Ⅲ>
○問題の種類
「選択科目」 に関する問題解決能力及び課題遂行能力
○出題内容
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
4.科目ごとの想定問題
これまで公表されてきた能力要件などを総括すると、4つの問題それぞれについて、次の設問が出されるものと思われます。(設問内容の想定を改定しました)
<必須科目、問題Ⅰ>
前文として、現代社会が抱えている様々な問題を踏まえ、当該「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題を設定。この設定を踏まえて、次の3つの設問に解答する。
(1)多面的に課題を抽出
(2)解決方法を提示
(3)遂行する提案
<選択科目、問題Ⅱ-1>
(この問題は、従来の専門知識問題と略同一の出題となるものと考えられます)
(1)「選択科目」における重要なキーワードや 新技術等に対する専門的知識
<選択科目、問題Ⅱ-2>
(この問題は、従来の応用能力問題と略同一の出題となるものと考えられます)
(1)「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて業務遂行手順を説明
(2)業務上で留意すべき点や工夫を要する点等の説明
<選択科目、問題Ⅲ>
前文として、社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況を提示し、そこに生じているエンジニアリング問題を設定する。
(1)「選択科目」に関わる観点から課題を抽出
(2)多様な視点からの分析に基づく問題解決のための手法を提示
(3)遂行方策について提示
5.試験準備の進め方
明年7月(予定)の筆記試験に向けての準備はつぎの手順で進めることを推奨します。
(1)試験が新しい制度なった理由を知り、なにを試験するのかを理解する
(2)7月の筆記試験までの工程を立てる(これは進行中、常にチェックし続けること)
(3)技術士論文作成の基本および論文設計の方法を知る
(4)論文作成練習、専門家による評価
(5)合格レベルまでの改善
(6)試験会場での解答作成を模した練習
●次の情報は11/17(土)アップします
(以上)